銀ぶらコース

9月に入り、「夏が終わった」感が出つつありますね。
大人にはあまり関係ありませんが、学校時代からの名残で「新学期」が始まるという意識もどこかにあります。
気合いを入れ直して頑張りましょう。

今年の秋も、上野では大型の展覧会が複数同時に開催される予定です。
こちらは直前になった所で改めてお知らせするとして、今週は「銀ぶら」のススメです。

銀座と言えば、日本有数の商業地にして夜の社交場としても知られています。
いわば、その時代の最先端の文化が生まれる街であり、また、文化的センスを持った人が集まる街ということですね。
それもあってか、街にはギャラリーがたくさんあり、そこを巡るだけでも一日楽しめますよ。

今週末行ける、銀ぶらコースをご紹介します。

まずは、JR有楽町駅から歩いて4分。
ソニービル8Fで開催されている「eBoutique2020」。

EBoutique2020
EBoutique2020

電子ペーパーという素材をテーマにした展示です。
紙のように薄く、形状が自由になり、それでいて映像をそこに表現できる電子ペーパー。
今使っているタブレット端末が紙状になって、丸めて持ち歩けるかも、というイメージです。
その電子ペーパーを使えば、将来的に布地のサンプルは実物を使わずに、電子ペーパー上に色味が再現できて、データのやり取りだけで新しい商品が確認できるよね。
だから、ブティックは将来的にはモニターが並ぶだけになるかも、という発想のようですが、これは…。どうでしょう?
布地のサンプルとして使えるかは別として、利用方法はいろいろある素材だと思います。(滞在時間 7分)

(移動時間 0分)

ソニービルの南東出口を出て、道を渡った所にエルメスのお店。
そこの展示スペースでは、「奥村雄樹による高橋尚愛」展が開かれています。
ここは、エルメスのお店の奥のエレベーターで上がるので、今回はパスしました。あまりいい服着ていなかったので…^^;
関心のある方はぜひどうぞ。

「奥村雄樹による高橋尚愛」展
「奥村雄樹による高橋尚愛」展

(移動時間 5分)

エルメスのお店から一つ南東の信号を渡ってすぐの所。
コシノヒロコさんのKHギャラリーでは「創作の源泉」と題して、コシノヒロコさんが墨で描いた作品を展示しています。

コシノヒロコ「創作の源泉」
コシノヒロコ「創作の源泉」

和紙の白さと墨の黒さのバランス感覚。具体的な形を描いているわけではないけれども、「ここに表現されるのはこれでいいんだな」と感じられる収まりの良さ。
マネのできない感性が感じられました。
多才ですよね。(滞在時間 5分)

銀座4丁目、和光の交差点にある、リコーイメージングスクエアでは、写真家銀城アトムさんの「巴里好日」と題した、パリに住む人に焦点をあてた写真展が開かれています。

銀城アトム写真展「巴里好日」-14年間のまなざし-
銀城アトム写真展「巴里好日」-14年間のまなざし-

銀座3丁目、松屋銀座のイベントスクエアでは、写真家星野道夫さんのアラスカ等自然を題材にした写真展。

星野道夫の旅
星野道夫の旅

銀座だけで世界中の風景に出逢えますね。
これら2件は時間の都合でパス。

(移動時間 7分)

三越銀座店の南東、東銀座駅の近く銀昭ビル6FのAkio Nagasawa Galleryでは、安藤忠雄さんの作品を展示した展覧会があります。

安藤忠雄「Drawing, Photograph, Maquette」
安藤忠雄「Drawing, Photograph, Maquette」

安藤さんが手がけた建築物のラフスケッチや写真、そして「光の教会」と「住吉の長屋」については、建築模型もあります。こんな教会で結婚式を
挙げたい、こんな長屋に住んでみたい、と直感的に感じられ、その空間にいるだけで、いつでも非日常になれるような素敵な建築物だと思いました。
安藤さん関係の書籍もたくさんありましたので、建築好きにはたまりませんよ。
そういえば、コシノヒロコさんのご自宅も安藤さんのデザインだとか。
KHギャラリーにコシノさんのご自宅のラフスケッチは展示されています。
(滞在時間 5分)

(移動時間 5分)

銀昭ビルから三原橋の交差点を南西方向に渡り、三井ガーデンホテルの脇道を進み、カラオケパセラの隣り、銀座S2ビルのGALLERIA GRAFICA TOKYOでは、牛嶋直子さんの「宙を見る」という展覧会。

牛嶋直子展 -宙を見る-
牛嶋直子展 -宙を見る-

牛嶋さんの作品は、暗闇に浮かぶライトアップされた人工物を日本画の顔料を使って描いています。
真っ暗な田舎道を車で走っているときに、遠くにガソリンスタンドやコンビニを発見したときの「ホッ」とする瞬間をとらえたような作品です。
ギャラリーに入った瞬間、「あれ?!新美術館で見たな」と思いました。
昨年末、新美術館で開かれていた「シェル美術賞展」で見ていました。
2012年の受賞者として作品が展示されていたんですね。
こうして再会するとは、何か縁があるのかも、と思い記名帳に名前を残してきました。
まだ若い作家さんなので、多くの方の目にとまって認めてもらえるといいですね。(滞在時間 7分)

(移動時間 10分)

そこから、北西方向に移動して銀座西6丁目交差点、高級外車のギャラリーの地下1階、飯田竜太さんの「本棚のアーケオプテリス」という、本棚をテーマにしたインスタレーション。

飯田竜太展「本棚のアーケオプテリス – Archaeopteris In The Bookshelf – 」
飯田竜太展「本棚のアーケオプテリス – Archaeopteris In The Bookshelf – 」

こういうこともアートのテーマになるんだな、と思いました。
面白いと思います。
多くは語りますまい。見て、体感してみてください。(滞在時間 4分)

ここから、JR有楽町駅まで歩いて6分。

全行程1時間30分弱で5件回れました。
(表示した時間を全部たしても少し足りないのはなぜだろう?)
最先端科学技術、墨絵、建築、日本画、インスタレーション。
5ジャンル見ました。
小さなギャラリーでの展示なので、一件毎の展示数は15点も無いくらい。
それでも、いろいろな個性が見られて面白かったです。

一人だったのでどんどん見て回りましたが、誰かと一緒であれば、話をしたり、感想を言いあったり、途中でお茶したり、エルメスにも入れたり、4時間くらいは楽しめるコースだと思いますよ。

今はまだ、街ぶらには暑いですね。
それでも、本格的な秋になればこんな一日の過ごし方もいいかと思います。

いろんな街の小さなギャラリー巡り、行ってみませんか?

TAKU

【今週末オススメの展覧会情報】

・eBoutique2020
https://artue.jp/events/12862
ソニービル8F コミュニケーションゾーン OPUS【東京都】
2016年07月30日~2016年09月30日

EBoutique2020
EBoutique2020

・「奥村雄樹による高橋尚愛」展
https://artue.jp/events/11426
メゾンエルメス【東京都】
2016年06月04日~2016年09月04日

「奥村雄樹による高橋尚愛」展
「奥村雄樹による高橋尚愛」展

・コシノヒロコ「創作の源泉」
https://artue.jp/events/12863
KHギャラリー【東京都】
2016年08月29日~2016年09月25日

コシノヒロコ「創作の源泉」
コシノヒロコ「創作の源泉」

・銀城アトム「巴里好日」-14年間のまなざし-
https://artue.jp/events/12864
リコーイメージングスクエア銀座8F A.W.P【東京都】
2016年08月24日~2016年10月02日

銀城アトム写真展「巴里好日」-14年間のまなざし-
銀城アトム写真展「巴里好日」-14年間のまなざし-

・星野道夫の旅
https://artue.jp/events/12865
松屋銀座8Fイベントスクエア【東京都】
2016年08月24日~2016年09月05日

星野道夫の旅
星野道夫の旅

・安藤忠雄「Drawing,Photograph,Maquette」
https://artue.jp/events/12866
Akio Nagasawa Gallery【東京都】
2016年06月24日~2016年09月25日

安藤忠雄「Drawing, Photograph, Maquette」
安藤忠雄「Drawing, Photograph, Maquette」

・牛嶋直子展-宙を見る-
https://artue.jp/events/12867
GALLERIA GRAFICA TOKYO【東京都】
2016年08月29日~2016年09月10日

牛嶋直子展 -宙を見る-
牛嶋直子展 -宙を見る-

・飯田竜太展「本棚のアーケオプテリス -Archaeopteris In The Bookshelf-」
https://artue.jp/events/12868
Guardian Garden【東京都】
2016年08月30日~2016年09月16日

飯田竜太展「本棚のアーケオプテリス – Archaeopteris In The Bookshelf – 」
飯田竜太展「本棚のアーケオプテリス – Archaeopteris In The Bookshelf – 」


powered by