みなさん、初めまして!!
伊部理子です。
私の自宅の近所に“てんてん”と呼ばれる猫がいます。
雌猫です。
白黒模様の猫で、目の上に筆で、てんてんっと描いたような模様があるので“てんてん”と呼ばれています。
てんてん模様は、平安時代の公家のまゆげのようでもあるので、麻呂と呼んでいる人もいます。
先日、この“てんてん”が、壷の上に乗って「にゃぁ~」っと鳴いている写真を目にしました!?
それは、サントリー美術館で現在開催されている『没後100年宮川香山』展のちらしでした。
ちらしには、壷と壷の上にいる猫が掲載されています。
私がこの壷に惹かれたのは、この作品の写真を見て、猫が鳴くシーンを思い出し、少し「にやり」としてしまったからです。
それだけ、この作品が猫の本質を捉えて表現しているからだと思います。
実際には、寝ている猫を起こしてしまったという名前の作品です。
きっと、猫が「せっかく気持ちよく寝ていたのに起こさないでよっ」、と言っているところを表現したのでしょう。
このモデルの猫は、後世語り継がれるような作品のモデルに、自分がなっているとは夢にも思わなかったと思います。
(もちろん、作品のモデルの猫は近所のてんてんではありません。)
猫の壷は、後ろから見ても猫がまるまるした姿を眺めることができるので、実際に足を運んで360度眺めるとさらに感嘆すると思いますよ。
この宮川香山先生、鷹や熊を実際に飼っていたそうです。
蟹は飼っていなかったとは思いますが、美味しそうな蟹の作品もあります。
壷をみて盆栽を連想させるような作品もあります。
壷は本来花を生けるものなので、壷そのものはシンプルであったりしますが、これらの作品は花を生けなくても、もうそこに自然や動物を感じることができるので、陶磁器であるにもかかわらず生きているように思います。
リアルな鷹が壷の中に表現されている作品もあります。
鷹は、日本人になじみの深い動物です。
大河ドラマの真田丸でも頻繁に鷹が出てきますね。
壷で、ジャポニズムの世界を堪能した後は、鷹や日本の文化を違った視点から表現した作品を見るのはいかがでしょうか?
サイモン・フジワラ「ホワイトデー」という美術展では、洋画家 須田国太郎氏が描いた鷹の掛け軸を、すこし変わった視点から展示しています。
どこが変わった視点なのかはここではふれませんが、私は少しびっくりしました。
鷹に罪はないのですが…。
“ホワイトデー”。
日本人が当たり前だと思っている贈答文化について疑問をなげかける、という意味でこのイベント名になっています。
ホワイトデーは日本の贈答文化を利用して、全国飴菓子工業協同組合が始めたイベントのようです。
貰った分きっちりお返しするなんてすごい文化なんだなぁと思いながら、ホワイトデーにこの美術展に行ってみるのはいかがでしょう。
もちろん、女性の場合はきっちりバレンタインのチョコのお返しはもらった上で行ったほうがいいですし、男性の場合はホワイトデーのお返しはきっちりしたうえで、行くことをお薦め致します。
きっちりお返ししないと怖いですよ。
伊部理子
【今週末オススメの展覧会情報】
・「没後100年 宮川香山」展
https://artue.jp/events/8651
サントリー美術館【東京都】
2016年02月24日~2016年04月17日
・サイモン・フジワラ「ホワイトデー」
https://artue.jp/events/7086
東京オペラシティアートギャラリー【東京都】
2016年01月16日~2016年03月27日
**************************
未知のアートと出会う。 Artue
Artueに関するご意見、ご要望はコチラに。
E-mail:info@artue.jp
アートの情報配信、感動共有スペース。
百人百様の見方、感じ方、表現の仕方。
公式HP:http://artue.jp
facebook:https://www.facebook.com/artuejp
twitter:https://twitter.com/artuejp
**************************
