先進国の人々の日常生活は物質的・機能的には満たされつつあり、消費者が製品やサービの購入を決定する際に重要な要素となるのが、いわゆる機能的ベネフィットの充足では足らず、情緒的ベネフィットでの満足ももたらしてくれることに移行しつつあるという、時代の転換点が21世紀に入る頃のどこかで到来していたことに気づけなかった、ということなのでしょう。
後付けの解説としては(笑)。
その点で、コンピューターの道具としての機能に将来性を見ながらも、その向こう側に、使用するヒトの気持ちまで見えていたのが、スティーブ・ジョブズ。
カラフルな初代iMacが発売になったのは、私が社会人になりたての頃でした。
その時代でフロッピーディスクドライブを付けない、その理由は「美しくないから」という発想に驚いたものです。
当時のiMacは、結局オフィスユースのPCとしては浸透しませんでしたが、その「デザイン性(外観も、使いやすさも)」を大切にしたAppleが今では1社でその他のWindows OSや、Android OSと対抗していられるのですから、いかにヒトの感性に合う製品が今の時代には必要なのか、ということを思い知らされますね。
そんなスティーブ・ジョブズも、自分が連れてきた社長からAppleを追い出されたことがあるのは有名な話です。
その時に設立したのが、トイストーリーなどのCGアニメで知られる「ピクサー」。
今年で設立30周年になるんですね。
その記念の展覧会が東京都現代美術館で今週末から始まります。
制作する映画全てがヒットするピクサーはどのような仕事をしているのか。
どのようなことを考えているのか。
アート好き、映画好き、アニメ好きに限らず、ビジネス的視点で見てもたくさんの発見、気づきが得られそうですよ。
あの、無骨な黒い箱だったPCが今やおしゃれアイテムとなっている訳だから、デザイン一つで何でもおしゃれになりそうですね!?
生活の中の雑貨、ここにも様々なセンスが織り込まれています。
機能と情緒両面のベネフィットを満たしてくれる雑貨が、おしゃれで使いやすい雑貨なのでしょうね。
雑貨屋さんをぶらつく感覚で、雑貨展などもおもしろそうです。
スティーブ・ジョブズにも負けない、多芸多才の日本人、ビートたけしさんの展覧会は終了間近です。
今週末にぜひどうぞ。
個人的希望としては、まだ無名の新人の中にこそ、全く新しい感覚の持ち主が隠れていて欲しいですね。
それを、私が見つけたい。
ビジネス的に、こんなにもアート的感覚が問われる時代が来るとは思いもしませんでした–;
技術や知識はロジカルに学べますが、感覚は一朝一夕には身に付きません。
これからの時代、子供に学ばせるべきは、アート的感覚ですよ!!
TAKU
【今週末オススメの展覧会情報】
・スタジオ設立30周年記念 ピクサー展
https://artue.jp/events/8686
東京都現代美術館【東京都】
2016年03月05日~2016年05月29日
・アートたけし展
https://artue.jp/events/8702
松屋銀座【東京都】
2016年02月25日~2016年03月07日
・FACE展2016
https://artue.jp/events/8108
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館【東京都】
2016年02月20日~2016年03月27日
・雑貨展
https://artue.jp/events/8650
21_21 DESIGN SIGHT【東京都】
2016年02月26日~2016年06月05日
