ArtueAward2015

私たちArtueがスタートを切った2015年。
今年も多くの展覧会が開かれ、私たちを楽しませてくれました。

アートとは、普段特別意識する事の無い、平凡な日常生活の中に隠れた、この世界の不思議、おもしろさ、人生の喜怒哀楽を、それぞれのアーティストが、それぞれの感性のフィルターを通して、多くの人の目に見えるように具象化してくれたものだと私たちは考えます。

ゆえに、自分の感性とはあまりにかけ離れたものであるために、一見難解なもので、理解できないと感じる作品も数多くあることでしょう。
ただ、自分と異なる感性を、必ずしも理解する必要は無いと私たちArtueは考えます。
自分と異なる感じ方をする人がいて、自分とは異なる表現をする人がいる。
自分と同じものを見て、同じ感想を持ったにもかかわらず、表現がこんなにも異なっている。

そんな人間の多様性を自由に語り合い、お互いの感性を認めあえる場をこれからも作っていきたいと考えています。

さて、今回は、2015年に開かれた展覧会のうち、私たちArtue編集部が「おもしろかった」と感じたものを『ArtueAward2015』として発表したいと思います。

『ArtueAward2015』 【グランプリ】

○「マグリット展」
 国立新美術館
 京都市美術館

マグリット展
マグリット展

今回の展覧会には、マグリット初期から晩年までの代表作130点が展示されており、作風の変遷を通してマグリットの人生を感じさせてくれた点。
「光の帝国」等の代表作も揃っていて、内容充分に堪能できた点が高い評価となりました。

でも、マグリットって、こんなにも独創的な作品にも関わらず、日常生活は実に地味で質素で、平凡な人だったようですね。
ピカソのような、滅茶苦茶さは微塵も無かったようですよ(笑)

ルネ・フランソワ・ギスラン・マグリット(1898-1967 ベルギー)
シュルレアリスムの巨匠。
不可思議なイメージに不可思議な題名、絵の前に立つものを戸惑わせ、考え込ませずにはいられない画風。
マグリット自身の言葉によれば、マグリットの絵画とは「目に見える思考」とのこと。(wikipediaより)

マグリットの作品は、国内でも多くの美術館で見られますね。
母国ベルギーのブリュッセルにはマグリット美術館もあります。
マグリットを見るためだけにベルギー旅行もいいですね。

⇒マグリット美術館
⇒マグリットの作品を収蔵する日本国内の美術館

『ArtueAward2015』 【準グランプリ】

○サイ・トゥオンブリー「紙の作品、50年の軌跡」
原美術館

サイ・トゥオンブリー 「紙の作品、50年の軌跡」
サイ・トゥオンブリー 「紙の作品、50年の軌跡」

一見、でたらめで誰にでも作れそうな作品たち。
しかしながら、様々な素材で構成された世界には、なにがしかの意図、計算が確かに存在していることを感じさせてくれました。
常人では、思いつかない表現方法で、今までとは違う世界を感じさせてくれた感性。現代絵画のおもしろさを体感させてくれた点が高評価となりました。

サイ・トゥオンブリー(1928-2011 アメリカ合衆国)
先進的な絵画教育をしていたブラック・マウンテン・カレッジにて、抽象画黎明期の第一人者ロバート・マザウェルに師事。
2015年11月、サザビーズ主催のオークションで約87億円の値がついた。(wikipediaより)

サイ・トゥオンブリーの作品が見られる日本国内の美術館
⇒国立国際美術館(大阪府)
⇒ベネッセハウス(香川県)

『ArtueAward2015』 【準グランプリ】

○「生命大躍進」脊椎動物のたどった道
 国立科学博物館

「生命大躍進」脊椎動物のたどった道
「生命大躍進」脊椎動物のたどった道

意図しても作れない、偶然の産物、自然界における合理性の結果としての、思いもよらない生物の造形のおもしろさを見せてくれたこの展覧会。
アートとは構えて見るものではなく、生物の存在そのものであると感じさせてくれました。
「生物はなぜこの形なんだろう?」という入り口から、お子さんがモノの形に興味を持てる良いキッカケになった展覧会という事で、アートの間口を広げた功績でArtueAward受賞です。

2016年はどのような展覧会が私たちを魅了してくれるのでしょうか。
これからも、みなさんの幸せな週末に花を添えられる情報の発掘、場の創造に努めて参ります。

2015年のご支援に感謝を申し上げると同時に、2016年がみなさまにとってご多幸な一年になることを祈念しております。

それでは、良いお年を!!

TAKU


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